搬送波 【carrier wave】 キャリア

概要

搬送波(carrier wave)とは、電気通信において信号を伝送するために用いる電気や電波、光の波のこと。送りたい信号に合わせて何らかの属性を変化させて情報を表現する。

搬送波はある一定の特性を持つ波で、送信側が伝送したい情報に合わせて振幅や周波数、位相などに時系列に変化を加える。この操作を「変調」(modulation)という。受信側では受信した搬送波が時系列に変化する様子を検知し、情報を取り出すことができる。この操作を「復調」(demodulation)という。

電気通信が発明された当初は、音波を同じ周波数および波形の電気信号に変換しただけのアナログ電話のように、伝送したい信号を(無変調で)そのまま送る「ベースバンド伝送」が一般的だった。これは現代でもイーサネットEthernet)のような有線のデジタル通信などでわれることがある。

しかし、電波や光を利用したい場合には周波数により特性が大きく異なり、発振や伝送に適した周波数帯は限られている。このため、伝送したい周波数の基本信号を先に用意して、ベースバンド信号に合わせて変調するという方式が普及した。

送信時にベースバンド信号により搬送波を変調する装置を「変調器」(modulator)、受信時に搬送波からベースバンド信号を復調する装置を「復調器」(demodulator)と呼び、両者を組み合わせて送受信できるようにした装置を「変復調器」(モデムmodulator-demodulator)という。

(2023.4.12更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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