エンドツーエンド 【end to end】 E2E / エンドトゥエンド / エンド-エンド
エンドツーエンド原理
通信ネットワークやプロトコルの設計原理の一つに「エンドツーエンドの原則」(エンドツーエンド原理)と呼ばれるものがある。これは、高度な通信制御や複雑な機能を末端のシステムが担い、経路上のシステムは単純に信号やデータの中継・転送のみを行うというものである。
インターネットをはじめとするTCP/IPネットワークはこの原理に基づいて構成されており、誤り訂正やフロー制御、再送などの機能はTCP層など上位側の機器やソフトウェア、プロトコルが、単純な送受信・転送処理をIP層がそれぞれ担当している。
エンドツーエンド暗号化 (E2E暗号化)
暗号通信の方式の一つで、通信を行う末端の二者のみが通信の暗号化と復号を行い、途中の経路上の第三者が介入できないようにする方式を「エンドツーエンド暗号化」(E2EE:End-to-End Encryption)という。
利用者が直に操作する機器やソフトウェアのみが暗号鍵を保有・管理し、回線や中継システムなどは暗号化済みのデータを相手方に送り届けるのみとなる。接続事業者や通信サービスの運営者であってもメッセージを復号して通信内容を覗き見ることができないため、高度なセキュリティとプライバシーを実現することができる。
インターネット上では公開鍵暗号を応用したE2E暗号化が用いられる。電子メールではPGPなどを併用することで暗号化でき、同じサービスの利用者間で自動的に暗号化を適用するサービスもある。クラウドストレージでも多くのサービスがファイル送受信のE2E暗号化に対応する。
メッセンジャーサービスでは利用者間で送受信されるメッセージを自動的にE2E暗号化する機能を提供しているものがある。Skypeのようにオプションで有効にできるものと、LINEのLetter Sealingのように当初から有効に設定されているものがある。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 日本麻酔・集中治療テクノロジー学会「麻酔・集中治療とテクノロジー2021」掲載論文「LINEグループ機能による麻酔科連絡網で夜間・休日の緊急症例を相談する功罪」(PDFファイル)にて引用 (2021年12月)