オーバーレイネットワーク【overlay network】

オーバーレイネットワークとは?

ある通信ネットワークを基盤として、その構造とは独立に築かれたネットワークのこと。下位層の構造が隠蔽され、利用者やソフトウェアは下位層の詳細な実装や形態などを意識せずに利用できるようなものを指す。
オーバーレイネットワークのイメージ画像

オーバーレイネットワークでは、基盤となるネットワークを「アンダーレイネットワーク」(underlay network)と呼び、その上で独自の通信経路や接続関係を仮想的に定義する。利用者やアプリケーションは下位のネットワークの構成や経路選択などの制御の詳細を意識することなく通信できるため、柔軟なネットワーク構成や機能拡張を実現しやすい。

一般に、アプリケーションや通信ソフトウェアが独自のプロトコルを用いてノード同士の接続関係を形成し、論理的なネットワークトポロジーを構築する形で実現される。オーバーレイネットワークの内部では、実際の通信は基盤となるIPネットワークなどを経由して行われるが、上位層からは一つの独立したネットワークとして扱われる。

代表的な例としてVPNVirtual Private Network)がある。インターネットや通信事業者の広域ネットワークなどの上に暗号化されたトンネルを張ることで、物理的に離れた拠点間同士があたかも同一の構内ネットワークLAN)に参加しているかのように扱える。その内部の機器や利用者は下位の通信経路がどのような構成であるかを意識せずに利用できる点が重要である。

CDNContent Delivery Network)も広義のオーバーレイネットワークに分類される。世界各地に分散配置された配信サーバ群がインターネット上に重ねて構築された配信網を形成しており、利用者はコンテンツの物理的な所在地を意識することなく地理的に近くのサーバから高速にコンテンツを受信できる。他に、仮想通貨ファイル共有などに用いられるP2Pネットワークなども該当する。

インターネットだけでなく大規模な構内ネットワーク上でもオーバーレイネットワークが構築されることがある。例えば、クラウドサービスなどで利用されるデータセンターでは、VXLANやGeneveといったカプセル化プロトコルを用いたオーバーレイネットワークが広く採用されている。インターネット自体も、多様な物理回線網の上にIPという統一プロトコル透過的な通信を実現するオーバーレイネットワークの一形態とみなすことができる。

他の辞典等による「オーバーレイネットワーク」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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