同軸ケーブル 【coaxial cable】

概要

同軸ケーブル(coaxial cable)とは、電気通信に使われるケーブルの種類の一つで、1本の信号線を中心に周囲を絶縁層、シールド層、被覆層の順に取り囲んだ構造のもの。断面が同心円を重ねた形状になるためこのように呼ばれる。

古くからテレビ受像機とアンテナやチューナーをつなぐケーブルとして広く普及し、音響、映像機器の信号伝送用としてよく用いられるほか、コンピュータ通信ネットワークの普及後はディスプレイケーブルやネットワークケーブルなどとしても使われている。

銅などでできた芯線(内部導体)をポリエチレンなどの絶縁体で包み、その周囲を細い導線を編んだ網状の「編組線へんそせん」(braided wire)と呼ばれるシールド層(外部導体)で包み、最外周をビニールなどの保護被覆で覆った構造になっている。

編組線により静電遮蔽が起こるため、芯線を流れる電気信号により生じる電磁放射の外部への漏出や、外部の電子機器や無線機器、信号ケーブルなどからの電磁波による干渉を防ぎ、信号の減衰やノイズによる乱れを低減することができる。主に用いられるのは特性インピーダンスが50Ω(オーム)のケーブルと75Ωのケーブルで、前者は一般的な無線機のアンテナ接続などに、後者はテレビ受像機とアンテナの接続などに用いられることが多い。

(2024.1.20更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる