固定回線 【fixed-line】 固定通信
概要
固定回線(fixed-line)とは、広域の通信回線のうち、ある特定の場所に機器を設置して固定的に通信を行う方式のもの。通信機を移動させることができる「モバイル回線」の対義語で、光ファイバー回線などが該当する。通信事業者が契約者に提供するアクセス回線の種別の一つで、加入者の家屋や事業所など決まった場所に通信回線を引き込んでサービスを提供する。事業者の通信拠点まで通信ケーブルを敷設する有線方式がほとんどだが、電波で通信する固定無線アクセス(FWA/WLL)などもある。
いわゆるアナログ電話回線、ISDN回線、光ファイバー回線、CATV(ケーブルテレビ)回線などが該当する。光ファイバー回線はガラスやプラスチックでできたケーブルに光信号を流すもので、それ以外は金属線ケーブル(メタル回線)に電気信号を流す方式である。
1980年代にページャー(ポケットベル)や自動車電話、続いて携帯電話が普及し始めるまでは、ほぼすべての広域回線、公衆通信網が固定回線で提供されていた。現代では光ファイバー回線を用いたデータ通信、光IP電話などが主流となっており、家庭や事業所からのインターネット接続回線として広く普及している。
移動体通信は無線周波数が限られているため通話時間や送受信データ量に基づく従量課金や通信量上限制、段階制料金などが一般的だが、有線の固定回線は資源の制約が厳しくないため「使い放題」型の月額固定料金のサービスが多い。通信速度も同時代の無線通信と比較して一桁か二桁程度高速である。
(2023.3.1更新)