FDM 【Frequency Division Multiplexing】 周波数分割多重化
概要
FDM(Frequency Division Multiplexing)とは、一つの回線に複数の回線の信号やデータをまとめ、同時に送受信する多重化技術の一つで、周波数帯の異なる複数の信号を合成して送受信する方式。電気信号や電波など搬送波の周波数帯域を複数に分割し、それぞれ別の信号を送る方式である。例えば、テレビ放送やラジオ放送では電波の周波数帯を「チャンネル」という単位に分割し、それぞれ異なる映像や音声を発信している。
FDMを用いて複数の通信主体による通信を多重化し、同一の伝送路を共用できるようにすることを「周波数分割多元接続」(FDMA:Frequency Division Multiple Access)という。例えば、携帯電話の通信方式の中には、基地局が周囲の端末とそれぞれ異なる周波数帯を利用して同時に通信するものがある。
また、FDMと同じように一つの伝送路に二つの異なる周波数の信号を流し、一方を送信に、もう一方を受信に用いて同時に双方向通信(全二重通信)を行うことを「周波数分割複信」(FDD:Frequency Division Duplex)という。混信を防ぐため送信側と受信側の間に利用しない帯域(ガードバンド)を設ける必要がある。
なお、光通信の場合は周波数ではなく波長に着目し、複数の異なる波長の光信号を同時に一本の光ファイバーに通す方式を「波長分割多重」(WDM:Wavelength Division Multiplexing)という。
(2022.11.13更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 財団法人マルチメディア振興センター「衛星通信用周波数の有効利用のための 伝送信号重畳・キャンセル技術に関する 調査検討報告書」(PDFファイル)にて引用 (2008年3月)