プレゼンテーション層 【presentation layer】 第6層 / layer 6 / レイヤ6 / L6
ネットワークにおけるデータの伝送手順や形式を定めた通信規約を「プロトコル」(protocol)という。一つのプロトコルは通常ある一つの特定の役割を持っており、人間やアプリケーションに近い側から物理的な装置に近いものまで何種類かを階層型に組み合わせて用いる。
プロトコルの役割を階層構造で整理したモデルとして「OSI参照モデル」と「TCP/IP階層モデル」(DARPAモデル)がよく用いられるが、プレゼンテーション層はOSIモデルの第6層として定義され、下位のセッション層と上位のアプリケーション層の橋渡しを行う。TCP/IPでは階層としては存在せず、必要に応じてアプリケーション層に実装される機能の一つとなっている。
プレゼンテーション層は上位のアプリケーション層(第7層/レイヤ7)からデータを受け取り、適切な形式のデータに変換して下位のセッション層(第5層/L5)へ渡す。また、セッション層から受け取ったデータを解釈し、適切な形式でアプリケーション層へ渡す。通信に用いられるデータの暗号化や圧縮、ファイル形式やデータ形式、文字コードの定義や形式間の変換などの役割を果たす。
TCP/IPにおけるデータ形式の扱い
現代ではOSIモデルに準拠したプロトコルやアプリケーションはほとんど消滅しているため、現実にプレゼンテーション層のプロトコルが使用される場面はほとんどない。TCP/IPでは個々のアプリケーション層のプロトコルが必要に応じてデータ形式の規定や変換方法などを定義している。
また、SSL/TLSやIPsecのようなトランスポート層やネットワーク層(インターネット層)のプロトコルが、アプリケーション層に対して透過的に暗号化・復号などのデータ変換機能を提供する場合もある。
(2024.2.7更新)