LED 【Light Emitting Diode】 発光ダイオード
概要
LED(Light Emitting Diode)とは、半導体素子の一種で、電流を流すと発光するダイオードのこと。少ない電力で強い光を発することができ、照明や表示装置に広く応用されている。電流を特定の一方向にのみ流す性質(整流作用)を持つ電子素子を「ダイオード」(diode)というが、LEDは電流を流すと発光する性質を持つ。1962年に米電気工学者ニック・ホロニアック(Nick Holonyak, Jr.)によって発明された。
構造と原理
p型半導体とn型半導体を接合したpn接合を持ち、p型側の陽極(anode:アノード)を正、n型側の陰極(cathode:カソード)を負とする順方向の電圧をかけると、接合面で正孔と電子が結合して発光する。 このような発光現象を「エレクトロルミネッセンス」(EL:Electro-Luminescence)という。
材料によって発光色が異なり、初期には赤やオレンジ、1972年には緑色LEDが開発されたが、1989年にそれまで困難だった青色LEDが実用化された。これにより赤・青・緑の光の三原色が揃い、これらの組み合わせで白色を含む任意の色を作れるようになったため、一気に用途が拡大した。
特徴と用途
LEDは白熱電球や蛍光灯など他の発光装置・器具に比べ、小型化が容易、衝撃に強い、長寿命、構造が単純、大量生産しやすい、明滅の切り替えが高速、発光効率が高い(同じ電力なら明るい、同じ照度なら発熱や消費電力が少ない)、光に含まれる波長が極めて偏っている、高温の環境に弱いという特徴がある。
当初は電気製品の電源などの状態を点灯によって示すインジケータ(表示灯)としてよく用いられたが、高輝度化や白色光の実現により、近年では電球や蛍光灯に代わる照明用途、大型の電光掲示板、コンピュータのディスプレイ装置や液晶テレビなどのバックライトなどとしても広く普及している。
(2023.7.4更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 独立行政法人日本芸術文化振興会委託事業 PwCコンサルティング「文化芸術活動におけるデジタル技術の活用による表現活動等の先行事例調査 調査報告書」(PDFファイル)にて引用 (2023年5月)