FDD 【Frequency Division Duplex】 周波数分割複信

概要

FDD(Frequency Division Duplex)とは、無線通信などで同時送受信(デュプレックス通信)を実現する方式の一つで、通信経路の周波数帯を二つに分割する方式。

無線では同時刻に同一の周波数で両方向に通信することはできないため、FDDでは使用する周波数帯域を二分割し、片方を(自らにとっての)送信専用、もう一方を受信専用(相手方にとっては送受信が逆になる)とすることで同時に送受信できるようにする。

送信用と受信用の帯域を完全に分離して混信を防ぐため、両者の間に「ガードバンド」(guard band)と呼ばれる、通信に利用しない空白の周波数帯を設ける。ある帯域を送信あるいは受信のみに使用する場合に比べ、この分離用の周波数帯の分だけ通信効率は低下する。

FDDの原理を応用し、一つの周波数帯域をより細かい複数の帯域に分け、それぞれを別の通信主体に割り当てる多重アクセス方式を「FDMA」(Frequency Division Multiple Access/周波数分割多元接続/周波数分割多重アクセス)という。

これに対し、一つの周波数帯の利用時間を極めて短く分割して送信と受信を高速に切り替える方式は「TDD」(Time Division Duplex時分割複信)という。携帯電話/モバイルデータ通信LTE規格では、FDDを用いる方式を「FDD-LTE」、TDDを用いる方式を「TD-LTE」という。

(2023.8.25更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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