トポロジー 【topology】

概要

トポロジー(topology)とは、「位相幾何学」という意味の英単語。図形を連続的に変形しても保たれる抽象的な性質を研究する数学の一分野だが、IT分野では複数の装置や機器を結ぶ配線や接続形態の類型をトポロジーという。

複数の装置や機器をケーブルなどで繋ぐ場合、具体的な装置の数や位置関係、配線の長さなどに違いがあっても、「繋がり方」はいくつかの類型に分類することができる。信号の伝送や通信路の制御の仕方は類型ごとに共通しており、それぞれ特徴がある。

装置の配線のトポロジー

コンピュータや電子機器の内部の装置や回路間の接続、あるいは機器本体と外部の装置などとの接続形態は典型的ないくつかのトポロジーに分類される。最も単純なのは「ポイントツーポイント接続」で、2つの装置が直に一対一に繋がれた形態である。

複数の装置を共通の信号線を通して同時に接続する方式は「バス接続」という。このうち、信号線を枝分かれさせて複数の装置に繋ぐ方式を「マルチドロップ接続」、装置から装置に数珠つなぎに配線していく方式を「デイジーチェーン接続」という。

ネットワークトポロジー

コンピュータネットワークを構成するコンピュータ通信機器、集線装置などの接続形態もいくつかのトポロジーに分類することができる。共用の通信路にすべてのノードを接続するバス型、直列に数珠繋ぎにしたデイジーチェーン型ライン型)などは装置の配線と同様の類型である。

他に、集線装置を中心に各ノードを繋いだスター型ノード間を環状に繋いだリング型ループ型)、各ノードが一つ以上の他のノードと結ぶメッシュ型、一つのノードから枝分かれする木のように繋がるツリー型などがある。これらを組み合わせた複合型のトポロジーも用いられることがある。

物理トポロジーと論理トポロジー

物理的な配線形態を「物理トポロジー」、信号が届く範囲を基準とする論理的な構造を「論理トポロジー」という。どのネットワークにもこの二つの側面があり、両者が一致している場合もあれば異なっている場合もある。

例えば、イーサネットEthernet)の集線装置の一種であるネットワークスイッチスイッチングハブ)は、各端末からの信号を解析して必要な相手にだけ転送するため、物理トポロジーも論理トポロジーもスター型であると言える。

一方、同じ集線装置でもリピータハブは内部で各端末からの信号線を電気的に繋いでいるだけで、どの端末からの信号も機械的にすべての端末に転送する。このため、ケーブルの配線がスター型でも論理トポロジーはバス型となっている。

(2023.2.10更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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