ダークファイバー 【dark fiber】
概要
ダークファイバー(dark fiber)とは、敷設された光ファイバー回線のうち、稼働しておらず休眠状態にあるもの。かつては単に放置されていたが、これを利用して通信事業に参入したり、通信事業間で貸し借り(芯線貸し)するといった動きにより活用されるようになってきている。通信事業者などが光ファイバー回線を敷設する際、将来の需要増などを見越して回線を多めに用意する場合がある。敷設済みの光回線のうち、現在のサービス提供のために利用されておらず遊休状態となっているものをダークファイバーという。
2000年前後のインターネット普及期に、NTT東日本・NTT西日本などが大規模に保有していながら活用していない光ファイバー網を他の事業者に開放すべきだとする議論が高まり、2001年の制度変更により本格的に事業者間の貸し借りが始まった。
貸出単位によって、光ファイバーケーブルの通信線(芯線)1本ずつを単位とする「芯線貸し」、WDM方式で多重化された光信号の波長を単位とする「波長貸し」、パケット通信回線としてデータ伝送量を単位とする「帯域貸し」などの契約形態がある。
主な貸し手はNTT地域会社の他に、ケーブルテレビ事業者や地方自治体、施設管理などの業務用に光ファイバー網を敷設している鉄道事業者や電力会社などがある。主な借り手は新興の通信事業者やインターネットサービスプロバイダ(ISP)などで、自社の拠点間の接続などに活用している。
ドライカッパー (dry copper)
通信事業者の保有する銅線(メタルケーブル)の回線のうち、使用していないものを「ドライカッパー」という。特に、加入電話回線の末端を構成する、電話局から個々の加入者宅への通信回線(ラストワンマイル)のうち使用していないものを指すことが多い。
1999年の制度改正により、NTT東日本・西日本などの持つドライカッパー回線が他事業者に開放され、自前の加入者回線網を持たないADSL事業者や直収電話事業者などがこれを借り受けて加入者宅へのアクセスを提供した。借り手側のバックボーン回線網との接続は電話局内の主配電盤を通じて行われる。
(2024.3.6更新)