ローカルIPアドレス 【local IP address】 ローカルアドレス / プライベートIPアドレス
概要
ローカルIPアドレス(local IP address)とは、ある特定のネットワーク内でのみ通信可能なIPアドレス。主に構内ネットワーク(LAN)で用いられ、インターネットで直接通信することはできない。組織内に設けられた私的なネットワークでのみ有効なIPアドレスで、その組織のネットワーク管理者が任意に各機器に割り当てることができる。当該ネットワーク内の機器間でのみ接続・通信が可能で、インターネットなど外部と直に通信することはできない。
一方、インターネット上で通信可能なIPアドレスは「グローバルIPアドレス」(グローバルアドレス)あるいは「パブリックIPアドレス」(パブリックアドレス)と呼ばれ、契約先の通信事業者(ISP)から一時的に貸与を受けるか、各国に設置されている管理組織(インターネットレジストリ)に申請して割り当てを受けなければならない。
アドレスの範囲
IPアドレスにはローカルIPアドレス用の範囲が予約されており、その中から使用するよう定められている。IPv4の場合、
- 10.0.0.0~10.255.255.255 (アドレス数は1677万7216個)
- 172.16.0.0~172.31.255.255 (104万8576個)
- 192.168.0.0~192.168.255.255 (6万5536個)
が確保されており、ネットワークの規模(機器の台数)や管理上の都合に応じて使い分ける。最後の「192.168.~」が最もよく用いられている。IPv6でも「fc00::/7」がユニークローカルアドレスと規定されている。
リンクローカルアドレス
機器ごとに固定のアドレスが設定されておらず、DHCPなどが機能していないネットワークでも最低限の通信ができるようにするため、自動的に設定される「リンクローカルアドレス」という仕組みもある。
IPv4では「169.254.0.0~169.254.255.255」、IPv6では「fe80::/10」の範囲が予約されており、この中から他の機器と衝突しないように一つが自動選択される。物理的に信号が届く範囲にある機器とのみ通信可能な制約があり、ルータなどを超えて別のネットワークと通信することはできない。
ローカルとプライベート
「ローカルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」という用語は一般的にはほぼ同義語として区別されずに用いられているが、「ローカルIPアドレス」には「リモートIPアドレス」の対義語として、ある機器やネットワーク自身のアドレスを指す用法もある。
また、組織内で設置・運用される私的なネットワークは本来「プライベートネットワーク」と呼ばれるため、そこで用いられるIPアドレスも「プライベートIPアドレス」とするのが正式であると言える。実際、RFCなどの規格書や技術文書などでも “private address” が用いられている。
関連用語
関連リンク (外部サイト)
他の辞典による解説 (外部サイト)
- ウィキペディア 「ローカルIPアドレス」
- 日経 xTECH IT基本用語辞典 「プライベートアドレス」
- @IT ネットワーク用語辞典 「プライベートIPアドレス」
- Insider's Computer Dictionary 「プライベートIPアドレス」
- NTT西日本 ICT用語集 「プライベートアドレス」
- ネットワークエンジニアとして 「プライベートIPアドレス」
- VTVジャパン テレビ会議用語集 「ローカルIPアドレス」
- TechTerms.com (英語) 「Private IP Address」
- Computer Hope (英語) 「Local IP address」
- WhatIs.com (英語) 「RFC 1918」