HDLC 【High-level Data Link Control】
概要
HDLC(High-level Data Link Control)とは、データリンク層(リンク層)の通信規約(プロトコル)の一つ。相手の応答を待たず連続して送信できるなど伝送効率が高く、CRCによる誤り制御などを行うなど信頼性も確保している。様々な動作モードを持ち、コネクション型としてもコネクションレス型としても使用できるほか、ポイントツーポイント(一対一)接続もポイントツーマルチポイント(一対多)接続も可能となっている。
米IBM社が定めた大型コンピュータの標準ネットワーク仕様「SNA」(Systems Network Architecture)で利用する通信手順(プロトコル)として1975年に「SDLC」(Synchronous Data Link Control)が開発され、これを元に1979年にHDLCが開発された。
これ以前のBSC(Binary Synchronous Communications)などの手順ではキャラクタ(文字)単位でデータを送受信していたが、SDLCおよびHDLCでは長いデータに制御用データを付加した「フレーム」(frame)を単位に送受信を制御するようになった。フレームを送受信単位とする仕組みはその後の多くの通信規格でも取り入れられている。
HDLCの仕様は1979年から1981年にかけてISO(国際標準化機構)によって複数の規格(ISO 3309/4335/6159/6256)にまたがって標準化された。これらは2002年にISO/IEC 13239として整理された。ITU(国際電気通信連合)もX.25規格の一部としてHDLCのサブセット(部分集合)である「LAPB」(Link Access Procedure, Balanced)を定め、PPP(Point-to-Point Protocol)やISDNの制御手順の基礎となっている。
(2022.10.25更新)