バースト転送 【burst transmission】 バーストモード / burst mode
記憶装置などへアクセスする際、通常は一定のデータ量ごとに伝送開始や終了、エラーの有無などの通知、書き込み先アドレスの指定などの制御手順が必要となるが、バースト転送では最初に一度指示を行い、以降はデータを連続的に伝送する。連続したアドレスにデータを順番に書き込む際などに有効な手法で、効率よくデータを伝送できる。
また、複数の通信主体が一つの通信路を共用するようなシステムで、通常はそれぞれに割り当てられている通信容量の制限を一時的に外し、回線を占有して一気にデータを送る通信モードを指す場合もある。
移動体データ通信における初速バースト転送機能
携帯電話のデータ通信サービスでは多くの場合、ある一定期間のうちに高速(最高数百Mbps)で通信できるデータ量に上限が決まっており(一か月あたり数ギガバイトなど)、これを超えると以降は100~200kbps程度の極端に低速なモードでしか通信できなくなるという制約がある。
このような低速状態でも通信開始から一定のデータ量(数十KBから百数十KB程度)までは制限を外して本来の高速モードで通信できる機能を「初速バースト転送」あるいは単に「バースト転送」「バーストモード」という。一連のデータ伝送が終了した後、無通信で一定時間が経過すると再び一定量だけ高速で通信できる。
連続的に大量のデータを伝送するとすぐに低速モードに戻ってしまうため、動画の視聴やビデオ通話などには向かないが、断続的に通信を行うWebページの読み込み、メールの送受信などはある程度快適に行なうことができる。
近年では大手キャリアから回線を借り受けて移動体通信サービスを提供する「MVNO」(Mobile Virtual Network Operator)が付加サービスの一つとして初速バーストを積極的に導入しており、サービスの差別化要因の一つとなっている。