セッション層 【session layer】 第5層 / layer 5 / レイヤ5 / L5
概要
セッション層(session layer)とは、プロトコルの機能階層の一つで、連続する対話的な通信の開始や終了、同一性の維持などの管理を行うためのもの。OSI参照モデルの第5層(レイヤ5/L5)に位置する。ネットワークにおけるデータの伝送手順や形式を定めた通信規約を「プロトコル」(protocol)という。一つのプロトコルは通常ある一つの特定の役割を持っており、人間やアプリケーションに近い側から物理的な装置に近いものまで何種類かを階層型に組み合わせて用いる。
プロトコルの役割を階層構造で整理したモデルとして「OSI参照モデル」と「TCP/IP階層モデル」(DARPAモデル)がよく用いられるが、セッション層はOSIモデルの第5層として定義され、トランスポート層とプレゼンテーション層に間に位置する。TCP/IPでは階層としては存在せず、必要に応じてアプリケーション層に実装される機能の一つとなっている。
利用者の操作する末端のアプリケーション間を結びつけて状態を共有し、対話的な処理を行う一連の通信を「セッション」(session)という。セッション層のプロトコルは認証やログインなどセッションの開始・確立、ログアウトなどのセッション終了・切断、また、中断されたセッションの再確立などの手続きやデータ形式を定めている。
TCP/IPにおけるセッション管理
現代ではOSIモデルに準拠したプロトコルやアプリケーションはほとんど消滅しているため、現実にセッション層のプロトコルが使用される場面はほとんどない。TCP/IPでは個々のアプリケーション層のプロトコルが必要に応じて独自のセッション管理機能を提供しており、OSIモデルのような統一・標準化された機能階層としてのセッション管理は提供されていない。
(2024.2.7更新)