8PSK 【8-Phase Shift Keying】 八位相偏移変調
概要
8PSK(8-Phase Shift Keying)とは、搬送波の位相を不連続に変化させて信号を表現するPSK(位相偏移変調)の一つで、位相が45度ずつ離れた8つの波を切り替えて送る方式。一度の変調で8値(3ビット)を表現することができる。基準となる波形と、位相を45度ずつずらして得られる計8つの正弦波を用い、それぞれを一つの値に対応付ける。一回の位相の変化で3ビットの値(000~111)を送ることができる。位相とビットパターンの対応付けにはグレイコード(グレイ符号)が用いられ、000→001→011→010→…というように、隣り合う位相と符号が1ビットだけ異なるように配置される。
位相そのものではなくDPSK(Differential PSK)方式で位相の変化を検出して信号に置き換える方式はD8PSK(Differential 8PSK)とも呼ばれる。
BPSKやQPSKに比べ位相の変化が小さいため、隣接する位相と取り違えて誤ったデータを受信するエラーも起きやすい。この弱点を補うため、畳み込み符号の一種であるトレリス符号を併用したTC8PSK(Trellis Coded 8PSK)がデジタル放送などで採用されている。
理論上は位相さらに細かく分割して16PSKや32PSKを考えることもできるが、そのような細かな位相の違いを正しく検知するのは困難で、実用上は8PSKが限度であるとされる。
(2018.12.5更新)