STPケーブル 【Shielded Twisted Pair cable】 シールド付きより対線

概要

STPケーブル(Shielded Twisted Pair cable)とは、撚り合わせた一対の金属線により電気信号や電力を伝える通信用ケーブルの構造の一つで、電磁ノイズを遮断するシールド加工を行ったもの。コンピュータネットワーク用のケーブルとして、高い周波数が必要な規格やノイズの多い環境で用いられる。

ツイストペアケーブル」(twisted pair cableより対線)と呼ばれるケーブルの一種で、絶縁された二本の銅の線材を撚り合わせたものを何対か束ねて一本のケーブルとしている。よく使われるのは4対8本を束ねた8線式(8芯式)である。

STPケーブルはより対線とケーブル外周の被覆(シース)の間に金属製のシールドが挿入されており、外部への電磁波の漏洩や外部のノイズ源からの干渉による信号の減衰や乱れを防ぐことができる。通常は細い金属線を網目状に加工した組編シールドを用いるが、ホイル上の薄い金属膜で覆うものもあり、FTP(Foiled Twisted Pair)ケーブルとも呼ばれる。

シールドのないUTPケーブルに比べ高価で、シールドをアースしなければ遮蔽効果がないため、使用できる機器が限られ、扱いも難しい。主にUTPでは対応が難しい工場内などノイズの多い環境や、極めて高い周波数で高速な通信を行う規格などで用いられる。

コネクタもUTP用のRJ45(8P8C)ではコネクタ部から干渉を受けてしまうため、コネクタ部をシールドで覆って機器側でアースする構造のTERAやGG45などの規格が用いられる。金属線ケーブルの特性を定めた標準規格のカテゴリ6Aカテゴリ7では、極めて高い周波数の信号を伝送しなければならないため、STPケーブルを用いるのが基本とされている。

(2019.3.20更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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