メタルケーブル 【metal cable】 銅線ケーブル / copper cable / メタル線
概要
メタルケーブル(metal cable)とは、伝送媒体となる心線(芯線)に金属材料を用いたケーブル。電力供給や通信回線など広い用途に用いられている。銅などの金属でできた芯線をシースと呼ばれる被覆で覆った構造になっており、芯線を電気が流れる。メタルケーブルは内部構造によって、同軸ケーブルと平衡対ケーブルに分類される。心線の材料には主に銅線が使われるが、他にも銅覆鋼線、アルミ線、すずめっき銅線などが用いられる。メタルケーブルの特性として、周波数が高くなるほど、伝送距離が長くなるほど信号が減衰するということが挙げられる。また、ノイズにも弱く、自らが流す電流による電磁波や外部からの電磁波の影響を受けやすい。
長らく通信ケーブルの主流として広く用いられてきたが、21世紀に入り長距離の高速な通信には芯線にガラスや透明なプラスチックを用い光信号を伝達する光ファイバー(光ケーブル)が用いられるようになってきた。メタルケーブルは電気信号を用いることから電力も同時に搬送できるなど、光ケーブルにはない特徴もある。
2線式 (2芯式/2W:2-wire system)
電話回線網の回線構成の一種で、1本の回線を2本の芯線で構成する方式。
一般に、公衆交換電話網は端末の電話機と交換機の間の加入者線が2線式、交換機から先の基幹回線内では4線式を用いている。2線式の区間では2つの回線を上り方向の回線と下り方向の回線が共有している。
電話機内部でも受話器と送話器それぞれに2線を用いているため、それぞれにおいて2線式と4線式をハイブリッドトランスで相互に変換している。
4線式 (4芯式/4W:4-wire system)
公衆電話網の回線構成の一種で、1本の回線を4本の芯線で構成する方式。
一般に、公衆電話網は端末の電話機と交換機の間の加入者線が2線式、交換機から先の基幹回線内では4線式を用いている。4線式の区間では上り方向の回線と下り方向の回線それぞれが2線用いて接続されている。
電話機内部でも受話器と送話器それぞれに2線を用いているため、それぞれにおいて2線式と4線式をハイブリッドトランスで相互に変換している。
カッド (quad)
電話回線を構成する1対(2本)の銅線を2組(4本)束ねたケーブル。地中に埋設されている電話ケーブルの基本単位。
公衆電話網の1回線は2本の銅線で構成されるが、電話ケーブルではこれをペアにしたカッドが基本単位として使われる。現在主流のプラスチック絶縁ケーブル(CCP)では、5本のカッドをまとめて「サブユニット」と呼び、10本のサブユニットをまとめて「ユニット」と呼び、4本のユニットをまとめて1本のケーブルを構成する。1本のケーブルは200本のカッド(400対800本の銅線)で構成されている。
カッド内で2組のメタルケーブルが拠り合わされているのは磁束方向を定期的に変化させて互いに打ち消し、信号漏洩を防ぐ目的がある。しかし、実際には同じカッド内に収容された2組の銅線間では信号漏洩が生じ、特にISDN回線とADSL回線が同一カッドに収容されると重複する周波数帯域がお互いに干渉し合い、ADSLの接続不良や速度低下を招くことがある。こうした現象が生じるとADSL回線の収容をISDNの影響のない他のカッドに変更することがある。