同期 【synchronization】 シンクロナイゼーション / sync / シンクロナイズ / synchronize / シンクロナス / synchronous / シンクロ
概要
同期(synchronization)とは、複数の主体の間で周期やタイミング、内容などを一致させること。一般的には「同じ時期」を表すことが多いが、ITの分野での用法はこれとは異なる。対義語は「非同期」。通信の同期
通信の分野では、機器やソフトウェアなどの間で信号やデータの送受信のタイミングを合わせ、正しく伝送されるよう制御することを同期という。
コンピュータ内部の通信では、一定周期のクロック信号に合わせて各回路や装置が信号を送り出すクロック同期が行われることが多い。クロック同期はデータの伝送だけでなく処理や制御のタイミングを合わせるのにも用いられる。
ファイルやデータの同期
同じデータを複数の場所に保存している時に、一か所でデータが更新されると他で保存されているデータにも変更が自動的に反映され、常に同一性が保持されることを同期という。
パソコンとスマートフォン、手元のコンピュータとクラウド上のサーバなど、一人が利用する複数の端末でデータを同期するよう設定することで、どの機器や環境でも常に最新の状態を利用することができ、また、一か所でデータの破損や消失が起きても復元することができる。
映像や音声の同期
映像や音声、字幕など、複数の異なる種類のデータが一体として一つのコンテンツを構成している場合に、再生時に各要素のタイミングを合わせてズレが生じないよう制御することを同期という。
プログラム実行における同期
並行して実行されている複数のプログラム間で、処理の実行のタイミングを調整することを同期という。主に二つの異なる用法で用いられる。
一つは、あるプログラムが別のプログラムを呼び出したり、プログラム内で関数やサブルーチンなどを呼び出す際に、呼び出し側が呼び出し先の完了や応答を待って次の処理に進むことを指す。呼び出し側が応答を待たずに呼び出し先と並行して先の処理を実行する方式は非同期処理という。
もう一つは、複数のプログラムが並列に実行されているとき、同じ記憶領域などの資源に同時にアクセスしてしまって内容の整合性が失われるのを防ぐ制御のことを指す。セマフォやミューテックス、ロックなどの機構を用いて、プログラムの実行順を決めて順番に資源を使用させる。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 科学技術振興機構「情報管理」50巻11号「デジタルリポジトリをめぐる動向:認証基準と国際プロジェクトを中心に」(PDFファイル)にて引用 (2008年2月)