読み方 : エスティーエム

STM【Synchronous Transport Module】

概要

STMとは、高速な光ファイバー通信における多重化方式の標準規格であるSDH(Synchronous Digital Hierarchy)における、多重化の単位となる仮想的な通信回線および通信速度。ITU-Tによって勧告され、デジタル信号を一定の枠組みに格納して同期伝送を行う際の物理的な通信速度の指標となる。
STMのイメージ画像

SDHにおける基幹単位は155.52Mbpsの速度を持つ「STM-1」である。データをフレーム単位で送受信し、フレーム内部は「セクションオーバーヘッド」と呼ばれる制御情報領域と、実際のデータを格納するペイロード領域で構成される。STM-1は270列×9行のバイト配列を持ち、125マイクロ秒ごとに送信される。

このSTM-1を基本単位として、4本を束ねた「STM-4」(622.08Mbps)、16本を束ねた「STM-16」(2.488Gbps)、64本を束ねた「STM-64」(9.953Gbps)、256本を束ねた「STM-256」(39.813Gbps)へと階層的に多重化が行われる。北米標準のSONET(Synchronous Optical Network)が定義する「STS-3」「OC-3」はSTM-1に相当し、「STS-12」はSTM-4、「STS-192」はSTM-64に対応する。

近年では、波長分割多重WDM)技術の進展により、一本の光ファイバー上で複数のSTM信号を異なる波長に乗せて伝送する運用が一般化した。また、イーサネット信号をSDHのフレームに収容する「GFP」(Generic Framing Procedure)や、複数のSTM回線を論理的に結合して帯域を柔軟に調整する「バーチャルコンカテネーション」といった技術も適用されている。

光ファイバー通信の高速化が進み、従来のSTM-256を超える超高速通信の領域では、より高能率な「OTN」(Optical Transport Network)への移行が進んでいるが、既存の基幹網や専用線サービスにおいては依然として信頼性の高い伝送フォーマットとして機能している。

他の辞典等による「STM」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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