ダウンストリーム 【downstream】 下り
概要
ダウンストリーム(downstream)とは、「下流へ」という意味の英単語で、ITの分野ではネットワークなどで中心側から末端側へ向かう方向を表す。その方向に流れるデータや信号、それらの通信速度を指したり、末端側の領域や機器などを指すこともある。通信ネットワークで中心側の拠点施設や集線装置、サーバなどから、利用者に近い末端側の端末やクライアントなどへ向かう情報の流れをこのように言う。慣用的に「下り」と訳されることも多い。無線通信や衛星通信では「ダウンリンク」(downlink)ともいう。逆方向は「アップストリーム」(upstream)という。
固定系の公衆回線網(アナログ電話網や光ファイバー網など)では、通信事業者の施設や設備(通信局など)から個々の加入者宅へ向かう方向が、無線系の回線網(携帯電話網など)では無線基地局などから利用者の通信端末へ向かう方向が、それぞれダウンストリームに当たる。
構内ネットワーク(LAN)などでは、ルータやスイッチ、バックボーンネットワークなどから個々の端末やパソコンなどへ向かう方向が、クライアントサーバ方式の情報システムではサーバからクライアントへの流れが、それぞれダウンストリームとなる。
上りと下りの周波数帯域や通信速度が同じであるような通信方式を「対称通信」、異なるような方式を「非対称通信」という。電話などの音声通話は基本的に対称だが、インターネットを利用する際は一般に下りのデータ量の方が多いため、データ通信回線・サービスは下りのほうが速い非対称通信になっていることが多い。
(2020.1.27更新)