ピア 【peer】

概要

ピア(peer)とは、同僚、同輩、同級生、仲間、友人、対等者などの意味を持つ英単語。IT分野では、通信ネットワークにおいて、ある機器が接続・通信している相手方の機器を指すことが多い。

広義には、ある機器が通信を行う際に、その相手方となる機器のことをピアという。接続・通信中の2台の機器の組のことを指す場合もある。文脈によっては、WebサーバWebブラウザのように、同じプロトコル通信規約)で通信しているプログラム同士、および、一方から見た相手方のことを指すこともある。

狭義には、機能や役割が対等、同等な複数の機器やソフトウェアネットワークが接続・通信する際に、それぞれの主体のことをピアという。サーバクライアントのような非対称な関係や役割分担ではなく、各主体が対等、対称な関係で結ばれていることを表す。

例えば、大手通信事業者のネットワーク同士が対等な関係に接続することを「ピアリング」(peering)、対等な端末同士が直に接続しあってネットワークを形成する通信方式を「ピアツーピア」(P2P:Peer to Peer)という。

ソフトウェア開発の分野では、成果物の検証手法の一つで、制作者・開発者以外の別の人が評価することを「ピアレビュー」(peer review)という。ここで言うピアは英語の原義にある「同僚」という意味で、立場や職位が近い者同士の間で互いに成果物を検証し合うことを指す。

(2024.3.2更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。