パケットロス【packet loss】パケロス/パケット損失
概要

現代の通信ネットワークでやり取りされるデータは、「パケット」(packet:小包の意)と呼ばれる小さな単位に分割されて送信される。例えば、メールの文章や動画のデータも、実際には多数のパケットに細かく分けられてネットワーク上を流れていく。受信側ではこれらを元の順序に並べ直すことで、はじめて完全なデータとして利用できるようになる。
パケットロスは発信されたパケットが相手方に到達する前に経路上のどこかで消失してしまう現象である。ネットワーク上のスイッチやルータなどの中継機器に処理能力を超える通信が集中した場合、やむを得ず一部のパケットを破棄して機能を維持する場合がある。また、無線LANや携帯回線では電波の干渉や障害物によって信号が乱れ、パケットが正しく届かない場合もある。機器の故障や設定ミスが原因となることもある。
パケットロスが通信に与える影響はアプリケーションの種類によって異なる。Webページの閲覧やファイルのダウンロードには「TCP」というプロトコルが使われており、パケットが失われた場合はこれを検知して自動的に再送を要求する「再送制御」が行われるため、表示が遅くなることはあっても内容が欠けることは基本的にない。一方、ビデオ通話やオンラインゲームのようにリアルタイム性が求められる通信では遅延を抑えるため再送を行わない制御方式が一般的で、映像の乱れや音声の途切れとして現れる。
パケットロスの割合は「パケットロス率」として数値で表される。これは送信したパケット数に対して届かなかったパケットの割合をパーセンテージ(百分率)で示したものである。一般的に1~2%程度以下であれば通常の利用に支障はないとされるが、5%を超えると通信品質の低下を体感しやすくなるといわれている。ネットワークの診断ツールを使えば、pingコマンドなどで手軽に測定することができる。