L2スイッチ 【L2 switch】 レイヤ2スイッチ / layer 2 switch / L2SW
概要
L2スイッチ(L2 switch)とは、構内ネットワーク(LAN)の集線装置の一種で、受信したデータのリンク層における宛先を見て、接続された各機器への転送の可否を判断する機能を内蔵したもの。「スイッチングハブ」「LANスイッチ」とほぼ同義。機器からのケーブルを繋ぐ接続口(ポート)を多数備え、あるポートに受信したデータの宛先などの制御情報をもとに、他のポートへの転送を行う。OSI参照モデルの第2層(レイヤ2/L2)であるデータリンク層の制御情報を用いて転送の可否の判断を行うため、このように呼ばれる。これはTCP/IP階層モデルではネットワークインターフェース層にあたり、最下層(第1層)である。
一般的な製品は有線LANの標準規格である「イーサネット」(Ethernet)に対応したポートを備え、「スイッチングハブ」「LANスイッチ」「イーサネットスイッチ」などとも呼ばれる。有線LANポートに加えWi-Fiアクセスポイントの機能を備え、端末と無線で通信することができる製品もある。
イーサネットのデータ伝送単位であるフレームの制御情報を解析し、転送が不要なポートへは信号を流さないスイッチング処理を行う。リピータハブのように単純にすべてのポートに信号を再送信する製品よりも回線の利用効率が高く、ネットワーク全体の性能を向上させることができる。
企業や官公庁、大学などの大規模なネットワークで使用する業務用の製品では、スイッチ同士を相互接続したネットワークでループ経路を検知して適切に対処するスパニングツリー機能や、物理ネットワークを複数の論理的なネットワークに分割するVLAN(仮想LAN)などの機能に対応するものもある。
一方、ネットワークスイッチの中で、IP(Internet Protocol)などネットワーク層(インターネット層)の制御情報に基づいて転送処理を行う製品を「L3スイッチ」という。UDPやTCPなどトランスポート層の情報を利用する「L4スイッチ」、HTTPなどアプリケーション層の情報を利用する製品を「L7スイッチ」などもある。