QPSK 【Quadrature Phase Shift Keying】 四位相偏移変調 / 4PSK
概要
QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)とは、搬送波の位相を不連続に変化させて信号を表現するPSK(位相偏移変調)の一つで、位相が90度ずつ離れた4つの波を切り替えて送る方式。一度の変調で4値(2ビット)を表現することができる。PSK(Phase Shift Keying)は送りたい信号を搬送波の変化に置き換える変調方式の一つで、正弦波の位相(phase)を一定の短い時間間隔で不連続に切り替えて信号を表現する。搬送波の振幅と周波数を一定に保つことができ、限られた周波数帯域幅で安定的に信号を伝送できる。
QPSKでは、基準となる波形と、位相を90度、180度、270度ずらした計4つの正弦波を用いる。それぞれを一つの値に対応付けることで、一回の位相の変化で2ビットの値(00~11)を送ることができる。位相とビットパターンの対応付けには「グレイコード」(グレイ符号)が用いられ、00→01→11→10(→00)というように、隣り合う位相と符号が1ビットだけ異なるように配置される。
位相そのものではなく、直前の状態からの位相のズレを検出して信号に置き換える「DPSK」(Differential PSK)方式を用いるものは「DQPSK」(Differential QPSK)と呼ばれる。PSK方式にはQPSK以外にも、2つの位相を用いる「BPSK」(Binary PSK)、8つの位相を用いる「8PSK」などの種類がある。
(2024.1.23更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 財団法人マルチメディア振興センター「衛星通信用周波数の有効利用のための 伝送信号重畳・キャンセル技術に関する 調査検討報告書」(PDFファイル)にて引用 (2008年3月)