シールドケーブル 【shielded cable】

概要

シールドケーブル(shielded cable)とは、金属製の導線を用いる電気通信向けのケーブルのうち、導線を金属製の箔や組み紐などで覆ったもの。外部からの電磁ノイズの干渉を防ぎ、また、内部に複数の導線がある場合は導線間相互の干渉を低減することができる。

外縁の被覆と導線を覆う絶縁体の間に金属製の網や膜の層(シールド)を挿入した構造になっており、この金属層により静電遮蔽が起こり、外部で発生した電磁波が内部の導線に干渉することを防止、低減することができる。

複数の信号線を一本にまとめた構造のケーブルでは、各信号線に対し(撚り対線の場合は組になる2本の信号線ごとに)シールドを施すことで、信号線間の干渉を防ぐ効果も期待できる。万全を期すため、信号線ごとのシールドと外装全体を覆うシールドの両方を用いる場合もある。

これに対し、シールドのないケーブルのことは「非シールドケーブル」(unshielded cable)というが、このような呼称は同種のケーブルにシールド付きとシールド無しがあるなど対比する文脈に限って用いられることが多い。他の仕様が同じならシールドケーブルは通信品質が安定し高周波数や高速での伝送が可能だが、シールド加工の分だけ高価になる。

STPケーブル

2本の信号線を一組にして撚り合わせた構造のツイストペアケーブルtwisted pair cableより対線)では、シールド付きを「STPケーブル」(Shielded Twisted Pair cable)、シールド無しを「UTPケーブル」(Unshielded Twisted Pair cable)という。

単にSTPケーブルという場合はシールドに金属製の組み紐が用いられることが一般的で、シールドに金属箔(ホイル)を用いるものを「FTPケーブル」(Foiled Twisted Pair cable)と呼んで区別することがある。

信号線の組ごとにシールドした上で、さらにケーブル全体をシールドで覆う場合もある。外側が網組(S)、内側がホイル(F)のものを「S/FTP」、両者ともホイルのものを「F/FTP」、外側がシールドなし(U)、内側がホイルのものを「U/FTP」といったように内外のシールド方式を組み合わせて記述する。

(2024.1.20更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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