アドレスクラス 【IP address class】

概要

アドレスクラス(IP address class)とは、かつてインターネット上のIPv4アドレスの割り当てや運用で用いられていたアドレス区分。アドレス空間全体をサイズの異なる「クラス」(class)に分割し、組織の大きさなどに応じて発行していた。

32ビットIPv4アドレス全体をクラスAからクラスEまで5つのクラスに分割し、それぞれのクラス内で固定された数ごとに割り当てを行う。この割当方式を「クラスフルアドレッシング」、クラス分けを前提に経路選択を行うプロトコルを「クラスフルルーティングプロトコル」という。現在は使われておらず、クラス分けしない「クラスレスアドレッシング」「クラスレスルーティングプロトコル」が用いられる。

通常用いられるのはクラスA、B、Cの3種類で、「クラスD」(224.0.0.0~239.255.255.255)はIPマルチキャスト用、「クラスE」(240.0.0.0~255.255.255.255)は実験用に予約された特殊な領域で一般的な用途での割り当ては行われない。

クラスアドレス範囲2進表記の先頭用途・ネットワーク部の範囲1ネットワークの
最大アドレス数*
クラスA0.0.0.0~127.255.255.2550で始まる先頭8ビットがネットワーク部16,777,216
クラスB128.0.0.0~191.255.255.25510で始まる先頭16ビットがネットワーク部65,536
クラスC192.0.0.0~223.255.255.255110で始まる先頭24ビットがネットワーク部256
クラスD224.0.0.0~239.255.255.2551110で始まるIPマルチキャスト用-
クラスE240.0.0.0~255.255.255.2551111で始まる予約済み・未使用-
* ネットワークアドレスブロードキャストアドレスがあるため、一般的に接続可能ホスト数はこの値から2を引いた値。

クラスA (Class A)

クラスAアドレスは 0.0.0.0~127.255.255.255 の範囲にあり、先頭のビットが「0」で始まることで識別される。前半8ビットネットワーク部、後半24ビットホスト部で、全体で256のネットワークで構成され、それぞれ16,777,216(224)個のホストアドレスを含む。

クラスB (Class B)

クラスBアドレスは 128.0.0.0~191.255.255.255 の範囲にあり、先頭のビットが「10」で始まることで識別される。前半16ビットネットワーク部、後半16ビットホスト部で、全体で65,536のネットワークで構成され、それぞれ65,536(216)個のホストアドレスを含む。

クラスC (Class C)

クラスCアドレスは 192.0.0.0~223.255.255.255 の範囲にあり、先頭のビットが「110」で始まることで識別される。前半24ビットネットワーク部、後半8ビットホスト部で、全体で16,777,216のネットワークで構成され、それぞれ256(28)個のホストアドレスを含む。

(2022.8.2更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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