双方向通信【duplex communication】複信/デュプレックス通信
双方向通信とは?

同時に双方が送信できるかどうかによって二つの方式に分類される。両方向に同時送信できる方式を「全二重通信」(full-duplex)、一度にどちらか一方のみが送信できる方式を「半二重通信」(half-duplex)という。電話は全二重通信の代表例で、双方が相手の発信を待たずに音声を送受信できる。トランシーバーは半二重通信の例で、送信と受信を交互に切り替えながら通信路を共有する。
物理的には半二重でありながら、制御回路が通信方向の切り替えを高速かつ自動で行うことで、見かけ上は全二重通信として動作させる方式もある。この方式は「時分割複信」(TDD:Time Division Duplexing)と呼ばれ、限られた周波数帯域を効率よく活用できるため、携帯電話網をはじめとする様々な無線通信規格で採用されている。
一方、送受信の役割が固定されており、常に一方から他方へのみ信号が流れる方式を「単方向通信」(片方向通信)という。テレビやラジオの放送、防災行政無線、かつて普及したポケットベルなどがこの方式である。受信者はその通信路を通じて送信元へ直接応答することはできない。通信技術の発展に伴い、従来は単方向であったサービスにも双方向機能が取り入れられる例が増えている。例えば、テレビ放送では放送波自体は単方向のままだが、インターネット回線と連携して視聴者からの投票や意見送信を受け付ける仕組みが普及している。
インターネットの普及やデジタル移動体通信の進展により、大容量データを双方向でリアルタイムに交換する需要が拡大した。光ファイバー通信や5Gなどの高速移動通信システムでは、高度な変調技術や多重化技術によって遅延の少ない双方向通信が標準的な通信インフラとして確立されている。電子メール、チャット、オンライン会議、クラウドサービスなど、日常的に利用される通信サービスの多くも双方向通信を基盤としている。