LAN 【Local Area Network】 ローカルエリアネットワーク / 構内ネットワーク / ローカルネットワーク / 構内通信網
概要
LAN(Local Area Network)とは、限られた範囲内にあるコンピュータや通信機器、情報機器などをケーブルや無線電波などで接続し、相互にデータ通信できるようにしたネットワークのこと。概ね室内あるいは建物内程度の広さで構築されるものを指す。銅線や光ファイバーなどを用いた通信ケーブルで機器間を接続するものを「有線LAN」(wired LAN)、電波などを用いた無線通信で接続するものを「無線LAN」(wireless LAN)という。
有線LANの通信方式としては「イーサネット」(Ethernet/IEEE 802.3)系諸規格が、無線LANの通信方式としては「Wi-Fi」(ワイファイ/IEEE 802.11)系諸規格がそれぞれ標準として普及しており、単にLANといった場合はこれらの方式を用いたネットワークを指すことが多い。他にも建物内に電気を供給するために張り巡らされた電力線を流用して通信する方式などがある。
主な用途
1980年代頃から企業や公的機関、大学、研究機関などで普及し始め、施設内にあるコンピュータを相互に接続し、高機能・高性能なサーバコンピュータでファイルなどの情報資源を一元的に管理したり、プリンタなどの機器を複数のコンピュータで共有するのに用いられてきた。
インターネットの一般への普及が始まると、構内の機器を外部への回線に接続する中継手段としても広く用いられるようになった。近年では一般家庭でもパソコンやスマートフォン、デジタル家電などを相互に接続したり、インターネットに接続するための通信ネットワークとして「家庭内LAN」が普及している。
他の分類
これに対し、通信事業者の回線網などを通じて地理的に離れた機器や施設間を広域的に結ぶネットワークを「WAN」(Wide Area Network:広域通信網、ワイドエリアネットワーク)と呼び、LANの対義語として用いられる。
LANとWANの中間規模のネットワークとして、一都市内などに収まる範囲の「MAN」(Metropolitan Area Network:メトロポリタンエリアネットワーク)や、大学のキャンパスや工場などで敷地内の複数の建物のLANを一つのネットワークに結んだ「CAN」(Campus Area Network:キャンパスエリアネットワーク)などの概念を用いることもある。
また、LANに似た概念として、個人の所有・利用するコンピュータや携帯機器、周辺機器などを無線通信などで相互に結ぶネットワークを「PAN」(Personal Area Network:パーソナルエリアネットワーク)、自動車などの(大型の)機器の内部で装置間を結ぶネットワークを「CAN」(Controller Area Network:コントローラエリアネットワーク)、これらをLANの一種に分類することもある。
関連用語
LAN用語辞典
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 独立行政法人情報通信研究機構(NICT) 新世代ネットワーク推進フォーラム IPネットワークWG レジデンシャルICT SWG 戦略ビジョンタスクフォース「家庭生活に役立つホームネットワークの在るICT社会像の実現に向けた調査報告書」(PDFファイル)にて引用 (2011年11月)
- 全国地域情報化推進協会「ブロードバンド整備マニュアル」(PDFファイル)にて引用 (2007年4月)
- 独立行政法人国際協力機構(JICA) 国際協力総合研修所「情報通信セクター政策改革と地方通信インフラ」(PDFファイル)にて引用 (2006年12月)
- 岩手県立総合教育センター 岩手県教育研究発表会 発表資料「小・中学校においてコンピュータやネットワークを 安全に利用するための研究」(PDFファイル)にて参照 (2006年1月)