帯域制御 【bandwidth control】 帯域制限
概要
帯域制御(bandwidth control)とは、通信回線やネットワークで、何らかの基準や設定に基づいて最高通信速度を制限したり、最低通信速度を保証したり、伝送の優先度に差をつけたりする制御手法のこと。インターネットなどの広域的なネットワークでは、遠隔地間を結ぶ通信回線は経路、容量ともに限られており、多数の利用者の通信需要が相乗りする形となる。個々の利用者が野放図に帯域を使用すると通信資源の逼迫(輻輳)が生じるため、帯域制御によって一定の秩序を確保する。
管理者によるネットワーク機器の設定や、個々の通信パケットの制御領域に記された設定値などを元に、割り当てる伝送容量や通信速度の制限や保証などが行われる。主に通信事業者やインターネットサービスプロバイダ(ISP)が限られた通信設備を効率よく利用者間で共有するために行われる。
制御の仕方は利用者へのサービス内容や目的に応じて異なる。例えば、音声通話や動画のライブストリーミングなどリアルタイム性の高い通信の優先度を高めて遅延を減らしたり、あるいは最低限の通信速度を保証するといった制御が行われる。特定の利用者が帯域を占有しないよう、最高速度に制限を設けたり期間あたりの伝送量に上限を設けることもある。
多くの移動体通信事業者(携帯電話キャリア)は公共性の高い限られた電波資源を加入者間で共有していることもあり、ほとんどのサービスメニューで1か月あたりの送受信データ量に上限を設定している。これを超えた利用者は月末まで最低限度の低速な通信速度(128kbps等)しか利用できないといった帯域制御を実施している。
(2024.3.8更新)