データグラム 【datagram】

概要

データグラム(datagram)とは、通信ネットワークにおける送受信単位となる、宛先アドレスなどの制御情報を付加されたデータの小さなまとまりのこと。ネットワーク層トランスポート層の一部のプロトコルにおける送受信単位を指すことが多い。

一つのデータグラムは制御情報が記述された先頭のヘッダ部header)と、それに続く送りたいデータ本体であるペイロード部payload)で構成される。大きなデータを送信する場合は一定の大きさごとに分割され、それぞれにヘッダ部が付加されて複数のデータグラムとして送信される。末尾にも制御情報やデータ長を調整するための埋め草データパディング)も連結されることがある。

名称の違い

通信方式やプロトコルによって規定されたデータの送受信単位のことを「PDU」(Protocol Data Unit)というが、PDUの具体的な名称はプロトコルごとに規定されている。例えば、IPUDPPDUはデータグラムだが、TCPでは「セグメント」(segment)、多くのアプリケーション層プロトコルでは「メッセージ」(message)をPDUとする。また、Ethernetなどのリンク層では「フレーム」(frame)が用いられることが多い。

これらのPDUの総称として「パケット」(packet)が用いられることもあるが、「パケット」は信頼性の高いコネクション型通信におけるPDU、データグラムやフレームは「送りっぱなし」のコネクションレス型通信におけるPDUといったようにプロトコルの特徴によって分類する考え方もある。

(2021.10.18更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる