データグラム 【datagram】
概要
データグラム(datagram)とは、通信ネットワークにおける送受信単位となる、宛先アドレスなどの制御情報を付加されたデータの小さなまとまりのこと。ネットワーク層やトランスポート層の一部のプロトコルにおける送受信単位を指すことが多い。一つのデータグラムは制御情報が記述された先頭のヘッダ部(header)と、それに続く送りたいデータ本体であるペイロード部(payload)で構成される。大きなデータを送信する場合は一定の大きさごとに分割され、それぞれにヘッダ部が付加されて複数のデータグラムとして送信される。末尾にも制御情報やデータ長を調整するための埋め草データ(パディング)も連結されることがある。
名称の違い
通信方式やプロトコルによって規定されたデータの送受信単位のことを「PDU」(Protocol Data Unit)というが、PDUの具体的な名称はプロトコルごとに規定されている。例えば、IPやUDPのPDUはデータグラムだが、TCPでは「セグメント」(segment)、多くのアプリケーション層のプロトコルでは「メッセージ」(message)をPDUとする。また、Ethernetなどのリンク層では「フレーム」(frame)が用いられることが多い。
これらのPDUの総称として「パケット」(packet)が用いられることもあるが、「パケット」は信頼性の高いコネクション型通信におけるPDU、データグラムやフレームは「送りっぱなし」のコネクションレス型通信におけるPDUといったようにプロトコルの特徴によって分類する考え方もある。
(2021.10.18更新)