スロットリング 【throttling】
概要
スロットリング(throttling)とは、システムの過負荷や特定利用者による資源の独占を回避するため、一定の制限値を超えた場合に意図的に性能を低下させたり、要求を一時的に拒否したりする制御のこと。例えば、通信事業者の回線設備は多くの契約者で共有しているが、特定の利用者が大量のデータ伝送を行うと回線資源を占有してしまい、他の利用者の通信速度が低下したり、ネットワークが混雑して正常な通信環境を維持できなくなってしまうことがある。
そのような場合に、各利用者の時間あたりの通信量に一定の閾値(いきち)を設け、これを超えた場合に通信速度を意図的に抑制する制御を行う。このような形の一時的な利用制限は通信回線だけでなく、サーバへの処理要求やAPI呼び出し、メールサーバへのメッセージ送受信要求など様々な分野で行われている。
また、CPUのスロットリングという場合、CPUの実行時間を実行プロセス間で分配するスケジューリングにおいて特定のプロセスへの割当時間が突出しないよう制限する機能と、CPUが過熱して破損するのを防ぐために一定温度を超えたら意図的に性能を落とす「サーマルスロットリング」の二つがある。
(2023.1.25更新)