プロトコルスタック 【protocol stack】 プロトコルスイート / protocol suite
概要
プロトコルスタック(protocol stack)とは、ある通信方式を実現するために、低い階層から順にプロトコル(通信規約)を積み重ねて全体として機能するようにした組み合わせのこと。各プロトコルを処理する機器やソフトウェアの積み重ねを指すこともある。通信の手順や信号・データの形式を定めた技術仕様をプロトコルというが、一つのプロトコルは通常ある一つの特定の機能や目的、役割のために作られている。実際の通信では、人間やアプリケーションに近い側のプロトコルから物理的な装置に近いプロトコルまで何種類かが連携して伝送を実現している。
各プロトコルは階層上に積み重ねられており、上位のプロトコルを扱う装置やソフトウェアは、一階層下のプロトコル実装とのやり取りの仕方だけを知っていれば良い。それより下のプロトコルの制御については一階層下のプロトコル実装に任せることができるからである。
現代の通信システムで用いられるプロトコルスタックは3層から7層程度にモデル化することができる。例えば、インターネット上でWebによる通信を行うには、物理層(UTPケーブルや光ファイバー、電波、NICなど)、リンク層(イーサネットやWi-Fi、PPPoEなど)、ネットワーク層(IP)、トランスポート層(TCPやSSL/TLS)、アプリケーション層(HTTP)といった階層構造を構成する。
(2022.5.6更新)