読み方 : はんにじゅう
半二重【half duplex】ハーフデュプレックス
概要
半二重とは、二者間のいずれの方向へも通信できる双方向通信において、一度に片方しか送信できず、両者が同時に送信することができない方式のこと。両者が単一の伝送路を共用しており、一方が送信している間は他方は受信に専念しなければならない。

通信方式のうち、一方向にしか送れないものを「単方向」(simplex)、双方向の通信を同時に行えるものを「全二重」(full-duplex)という。半二重は両者の中間に位置し、トランシーバーによる交信のように送受信を交互に切り替えながら通信する。
半二重では、ある端末が送信している間、相手側は受信に専念しなければならない。送信が終わると伝送路の使用権が解放され、相手が送信できる状態に切り替わる。この切り替えは自動で行われることも、人の操作によって行われることもある。無線通話機では「どうぞ」と発して送話ボタンを離すことで相手に送信権を渡す。もし双方が同時に送信すると信号が衝突し、通信が成立しなくなる。
ネットワーク技術においては、イーサネット(Ethernet)のリピータハブを介した接続が例として挙げられる。初期のイーサネット規格は送受信に同じ信号線を使っていたため、端末が送信する際はハブは受信に専念し、ハブが送信する際は端末は受信に専念する。両者が同時に送信を開始すると信号が衝突するため、これを検知してランダムな時間待機し、先に待機が明けた側が通信を開始する「CSMA/CD」という機構が組み込まれていた。現在の規格は送受信の信号線を分けて送信と受信を同時にできる全二重方式に移行している。
無線LAN(Wi-Fi)も半二重の性質を持つ。同じ周波数帯を複数の端末で共有するため、送信と受信を同時に行うことができず、「CSMA/CA」という方式で信号の衝突を回避している。通信効率や応答速度では全二重に劣るが、伝送路を送受信で共有できるため、構成が単純で済み、無線通信では周波数帯域の節約にもつながる。
(2026.5.21更新)