読み方 : エスディーエムエー
SDMA【Spatial Division Multiple Access】空間分割多元接続/空間分割多重アクセス
概要
SDMAとは、同一の通信路を複数の通信主体で混信なく共用する多元接続技術の一つで、空間的な方向の違いによって伝送路を分割し、複数の相手と同時に通信する方式。

無線通信では、基地局が複数のアンテナの指向性や位相を制御することで、異なる方向に位置する端末それぞれに向けて電波を集中させることができる。これにより、同一時刻・同一周波数を用いながら、互いに干渉することなく複数の端末と独立した通信路を確立することができる。
同時に通信できる多重度はアンテナの本数に依存するものの、各端末からみれば他の通信の影響を受けず、その周波数を独占しているのと同等の状態となる。そのため、時間を分割する「TDMA」や周波数帯域を分割する「FDMA」といった他の多元接続方式と比べて、周波数の利用効率は極めて高い。実際の無線システムでは、TDMAやFDMA、OFDMAなど他の方式と組み合わせて用いられることが多い。
電波の指向性を動的に制御するアダプティブアレイアンテナを用いたSDMAは、かつてPHSの基地局で実用化されていた。現在では、基地局と端末の双方が複数のアンテナを同時に制御して信号を伝送する「MIMO」(Multiple Input Multiple Output)技術によってSDMAが実現されている。複数の端末へ空間分割多重を行うこの実装形態は「MU-MIMO」(マルチユーザーMIMO)とも呼ばれ、Wi-Fiや4G LTE、5Gなどに採用されている。
(2026.6.25更新)