SDMA 【Spatial Division Multiple Access】 空間分割多元接続 / 空間分割多重アクセス

概要

SDMA(Spatial Division Multiple Access)とは、同一の通信路を複数の通信主体で混信することなく共用するための多元接続(多重アクセス)技術の一つで、空間的に伝送路を分割して複数の主体で同時に通信する方式。

主に無線通信について用いられる方式で、複数のアンテナの指向性や位相のズレを利用して、各アンテナがそれぞれ異なる方向にある端末とのみ通信することにより、同一時刻に同一周波数を用いて複数の端末通信することができる。

多重度がアンテナの本数に制約されるものの、どの端末もその周波数を独占して通信しているのと変わらない状態となるため、時分割TDMA)や周波数分割FDMA)など他の多元接続方式に比べ周波数の利用効率は極めて高くなる。

かつてはPHSなどがアダプティブアレイアンテナを用いたSDMAを利用していたが、現在では基地局端末も複数のアンテナを同時に使用して信号を送信する「MIMO」(Multiple Input Multiple Output)技術によりSDMAが実現されている。MIMOによるSDMAは「MU-MIMO」(マルチユーザーMIMO)とも呼ばれ、Wi-Fi4G/5G移動体通信などに広く応用されている。

(2023.2.20更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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