ダウンロード 【download】 DL

概要

ダウンロード(download)とは、通信回線やネットワークを通じて、別のコンピュータなどからデータを受信すること。また、受信したデータを記憶装置上のファイルなどまとまった形で保存すること。上位側から下位側へデータを送ることを指す場合もある。

現代の一般的な解釈では、あるコンピュータから見て、他のコンピュータからデータを受け取る(受信する)動作のことを指すことが多い。俗に「DL」「ダウン」「落とす」とも呼ばれる。利用者の視点では、受信したデータをファイルとしてストレージ装置に保存することを指し、明示的にファイルとして保存されないデータの受信はダウンロードと呼ばないのが一般的である。

これに対し、別のコンピュータへデータを送信することを「アップロード」(upload)という。これも、利用者の視点では相手側のコンピュータ(サーバなど)上に明示的にファイルを作成・保存する操作を指し、入力フォームの送信のような単なるデータ送信は含めないことが多い。

また、音声や動画の視聴などの場合、データを視聴者のコンピュータにファイルなどの形で保存してから試聴する方式を「ダウンロード再生」「ダウンロード配信」などと呼ぶ。一方、専用のソフトなどでデータを受信しながら(ストレージには保存せずに)再生し、再生後にデータをすぐに破棄する方式を「ストリーミング」(streaming)という。

インストールとの違い

インストールはソフトウェアをコンピュータに導入し、初期設定などを行って利用可能にする操作や処理を表す。これを行うにはそのソフトウェアのインストール用プログラムやパッケージが必要で、これをネットワークを通じて取り寄せる場合にはダウンロードを行うことになる。

スマートフォンなどでは、アプリストアからソフトウェアを取得して導入する流れが一般的である。このとき、ストアからソフトウェアの導入プログラムを受信する動作がダウンロードで、ダウンロード完了後、プログラムを起動して端末へのアプリの展開、システムへの登録などを行う動作がインストールとなる。

歴史的な用法

古くは、ホストコンピュータと端末のように、中心や上位側と末端や下位側がはっきり分かれた非対称型のコンピュータシステムやネットワークが一般的だったため、上位側から下位側へデータを送ることをダウンロードと呼んでいた。

この場合、上位側にとっては送信だが、上位側から見てもダウンロードと言っていた。この用法は現代でも、組み込みシステムなどの開発で、開発機から電子基板にプログラムを送信する動作をダウンロードと呼ぶなどの形で一部残っている。

(2023.8.6更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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