コネクションレス型通信【connectionless communication】データグラム型通信/datagram communication
概要

手紙を投函するように、相手の状況に関わらず一方的に送り出す方式である。データの送信側は、相手が受信可能な状態にあるかを確認しないまま送信を開始する。送信されたデータは通信経路の状態によって失われたり、送信順と異なる順序で届いたりすることがある。
到着確認や再送制御、接続確立・切断といった制御を行わないため、通信に伴う処理量が少なく、オーバーヘッドを抑えてデータを送信できる。回線の利用効率が高く、ネットワークの品質が低下している状況でも送信を継続できるという利点もある。
インターネットの基盤であるIP(Internet Protocol)はコネクションレス型のプロトコルであり、各パケットは独立して配送される。トランスポート層ではUDP(User Datagram Protocol)がこの方式を採用しており、到着確認や順序の保証を行わない。通信品質の確保が必要な場合は、アプリケーション側で個別に実装する。
この方式は、多少のデータ欠落よりも低遅延を優先する用途に適している。音声通話(VoIP)や動画のストリーミング、ライブ配信、オンラインゲーム、DNSによる名前解決などでは、古いデータを再送するより新しいデータを継続的に届けるほうが品質を維持しやすいため、コネクションレス型通信が広く採用されている。
これに対し、通信に先立って送受信側の間で仮想的な専用通信路(コネクション)を確立し、データの到着確認や再送制御、順序の管理を行いながら確実に届ける方式を「コネクション型通信」という。TCP(Transmission Control Protocol)が代表例で、データの送達と順序が保証される反面、接続確立や確認応答の往復が必要となるため、コネクションレス型と比べてオーバーヘッドは大きくなる。