OFDM 【Orthogonal Frequency Division Multiplexing】 直交波周波数分割多重
概要
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)とは、デジタル変調方式の一つで、隣り合う周波数の搬送波同士の位相を互いに直交させて周波数帯域の一部を重なり合わせ、高密度な周波数分割を行う手法。FDM(周波数分割多重)の一種で、ある周波数帯域内に複数の異なる周波数の搬送波(サブキャリア)を形成し、それらを同時に送受信することで多重化を行う。サブキャリア内ではQAM(直交振幅変調)などの方式で信号を変調する。
単純な周波数分割と異なり、隣り合う搬送波同士の位相を90度ずらすことで直交させ、どのサブキャリアの中心周波数でも両隣のサブキャリアの信号強度が0になるよう調整する。これによりサブキャリア間で周波数帯域を重ね合わせることができ、高密度に周波数を利用することができる。
有線の電気通信にも無線通信にも応用され、有線では一部のxDSL技術や電力線通信(PLC)などで、無線では一部の無線LAN(Wi-Fi)規格やデジタルテレビ(ISDB-Tなど)、3G以降の携帯電話(LTEなど)で用いられている。
(2018.4.19更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 総務省 東北総合通信局「沿岸海域における効率的なワイヤレスブロードバンドシステムの技術的条件に関する調査検討会 報告書」(PDFファイル)にて引用 (2010年3月)
- 計測自動制御学会「計測と制御」48巻7号「計測制御のための無線通信技術の現状と展望」(PDFファイル)にて引用 (2009年7月)