読み方 : ぶつりそう
物理層【physical layer】PHY
別名 :第1層/レイヤ1/L1/layer 1
概要

通信ネットワークは、それぞれ異なる役割を持つ複数の層が積み重なった階層モデルとして整理される。物理層はその最下層に位置し、伝送媒体や接続インターフェースに関する最も基礎的な仕様を規定する。物理的な断線や接続不良、電波障害、信号品質の低下といった障害は、この物理層の問題として扱われる。
物理層で定義される内容には、金属ケーブルや光ファイバーケーブルの仕様、コネクタの形状、無線アンテナの仕様、使用する周波数帯域、信号電圧、伝送路符号化方式、変調方式などがある。例えば、イーサネット(Ethernet)では、使用するケーブルの電気的な特性や信号の伝送方式が物理層の規格として定められている。
物理層が扱う情報の最小単位は「ビット」(bit)であり、送信側から受信側へ「0」と「1」からなるビット列を物理的な信号へ変換して伝えることが目的である。そのビット列がどのような意味を持つか、また正しく届いたかどうかの検証は、この層では行わない。送受信されたビット列を「フレーム」(frame)などの送受信単位として管理し、伝送制御や誤り検出、通信相手の識別などを行うのは、上位層の役割である。
有力な階層モデルの一つである「OSI参照モデル」では物理層とデータリンク層を区別しているが、IPと関連プロトコルを整理した「TCP/IP階層モデル」では、この2層をまとめて「リンク層」として扱う。OSIが通信全体をモデル化しようと試みたのに対し、TCP/IPはIPとその応用が関心事であり、下層の仕様には踏み込まないため、このような差異が生じている。
(2026.6.12更新)