FP法 【Function Point method】 ファンクションポイント法
概要
FP法(Function Point method)とは、ソフトウェアの規模を計測する手法の一つで、内部の機能を数え上げ、それぞれの複雑さなどに応じて重み付けしたものを積算して点数として表すもの。プログラムの開発工数の見積もりなどに用いられる手法で、1979年にIBM社のアラン・アルブレクト(Allan J. Albrecht)氏が考案した。利用者から見たソフトウェアの持つ機能を分解し、外部との入出力、ファイルとの入出力など種類ごとに整理してそれぞれいくつあるかを数える。利用者が認識しない内部的なデータ処理などはカウントしない。
それぞれの機能について過去の類似の事例などから導き出された複雑度の評価を行い、その機能の持つ点数(ファンクションポイント)とする。これをプログラム全体に渡って合算した合計値に、システムに要求される特性(データ通信が必要、分散処理が必要)に応じて決定される上下35%(0.65~1.35)の幅を持つ係数を掛け合わせて評価値とする。
ソースコード行数(LOC:Line Of Code)などによる評価・見積もりに比べ、プログラミング言語の種類や書き方、機能の実装方法などに依存しない、データフローダイアグラムやER図など設計段階で作成される資料から算出できる、利用者から見た機能に基づくため利用者側(開発依頼側)の納得を得やすいといった利点がある。
一方、機能の複雑度の判定などは主観が入り込みやすく、過去に類似の事例のない場合の評価が難しいといった難点もある。アメリカでは1986年に業界団体のIFPUG(International Function Point Users Group)が設立され、評価法についての標準的なガイドラインを発行している。これに基づく算出法のことをIFPUG法ということがある。
(2018.8.29更新)