プロダクトバックログ 【product backlog】
概要
プロダクトバックログ(product backlog)とは、アジャイル開発手法の一つである「スクラム」(Scrum)において、チームが行うべき作業を優先順位を付けて列挙したリストのこと。全体のロードマップに基づいて作成され、随時見直しが行われる。スクラムは反復型の開発手法で、一度に全体を開発しようとせず、小さな単位で計画と実装を繰り返し、少しずつ全体の完成度を高めていくというアプローチを取る。一回の反復の単位は「スプリント」(sprint)と呼ばれ、概ね1週間から1か月程度の期間でスプリントを実施する。
スクラムでは開発チームが取り組むべき課題やタスクを「バックログ」(backlog)と呼ばれるリストで管理する。これは一種のでToDoリストであり、課題が優先順位を付けて列挙される。開発プロジェクト全体を通じて参照されるバックログがプロダクトバックログである。
プロダクトバックログには、製品に実装すべき機能(フィーチャー)、既存の開発物に見つかったバグの修正、技術的負債の解消、今後の開発で必要となる知識獲得や情報収集などの項目が組み込まれる。現在プロジェクトに必要とされる課題や作業はすべて含まれている必要があり、反復が進むに連れてバグ修正などが新たに追加されていく。
毎回のスプリントでは、プロダクトバックログの内容に基づいて、当該スプリントで取り組むべき作業や課題を「スプリントバックログ」として抽出する。スプリント期間中はこれをすべて消化することを目標にチームが作業を進めていく。スプリントが終わると、プロダクトバックログから完了した項目を取り除き、新たに生まれた項目があれば追加する。
開発期間中には、プロダクトオーナーと開発チームが揃って定期的に「リファインメント」というミーティングを実施し、プロダクトバックログの項目を再検討する。各項目について関係者全員が認識を揃え、内容の詳細化や明瞭化を行う。検討結果によっては項目の追加や削除、分割、優先順位の入れ替えなどが行われることがある。
(2023.10.5更新)