KKD法
体系的な方法論や計測可能な係数などは用いず、担当者個人が過去に経験したプロジェクトの記憶や実績値などに基づいて、必要な工数や工期、コストなどをはじき出していく。主にどのような点に着目するかや値の算出根拠なども人によって異なる。
一方、体系的なモデルや計測可能な係数(パラメータ)、過去の調査から得た法則性を表す数式などを用いて、一定の手順に基づいて見積もりを行う様々な方法論が提唱されている。LOC法、FP法、COCOMO、WBS法、標準タスク法、デルファイ法などである。
KKD法は属人的で再現性がなく、「前例を踏襲している」以外に客観的に説明可能な根拠にも欠け、経験の浅い担当者だと規模を大きく読み誤るリスクがある。しかし、経験豊富なエンジニアが先例に類似するプロジェクトを担当する場合には初期から精度の高い見積もりが可能なこともある。
モデルを用いた方法論も、正確な係数はプロジェクトがある程度進行しなければ手に入らないことが多く、業種や分野、開発対象によって事情が大きく異なることから、必ずしも単一のモデルで正確な見積もりができるわけではない。特に初期の顧客との折衝段階などではKKD法に頼らざるを得ない場合も多い。
(2023.7.28更新)