SysML 【Systems Modeling Language】
概要
SysML(Systems Modeling Language)とは、システムの構造や振る舞いを記述する図表の記法を定めた標準の一つ。ソフトウェア設計に用いられるUML(Unified Modeling Language)を拡張・修正し、ソフトウェア以外の様々なシステムに適用できるようにしたもの。SysMLが対象とする「システム」とは、個々の要素が相互に影響しあいながら、全体として機能するまとまりや仕組みのことで、情報システムやソフトウェアに限らない。機械や施設、組織、工程、情報など様々な人工物や仕組みの記述に用いることができる。SysMLはシステムの構造や振る舞いを図表を用いて記述し、設計や分析、検証などを行うことができる。
UML 2.0の仕様のうち「アクティビティ図」「シーケンス図」「ユースケース図」「ステートマシン図」「パッケージ図」を踏襲し、UMLの「クラス図」は「ブロック定義図」、「複合構造図」(コンポジット構造図)は「内部ブロック図」として定義されている。また、UMLにはない「要求図」「パラメトリック図」が追加されている。UMLでは基本的には表を使わないが、SysMLでは「アロケーションテーブル」と呼ばれる表を多用する。
SysMLの仕様は、システム工学の国際的な専門家組織INCOSE(International Council on Systems Engineering)とUML標準を管轄するOMG(Object Management Group)の合同作業部会によって検討・策定された。INCOSE側からは2005年にオープンソースのSysML仕様が公表され、OMGからは2007年に「OMG SysML」という標準規格が発行された。この仕様を元に、2017年には国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)の合同委員会が「ISO/IEC 19514」という国際規格を策定した。
(2023.9.14更新)