BPMN 【Business Process Model and Notation】 ビジネスプロセスモデリング表記法 / ISO/IEC 19510
概要
BPMN(Business Process Model and Notation)とは、業務の手順や流れを体系的に図示する記法の標準の一つ。業務プロセスを構成する手順を視覚的なモデルとして表現することができ、プロセスの分析や設計、改善、共有などのために用いられる。ある業務の開始から終了までの間に必要な手続きや生じるイベント、条件による流れの分岐や合流などを図に表すことができる。コンピュータプログラムの設計などで用いられるフローチャートに似ている。
表記法
BPMNでは、業務を構成する基本的な要素を、長方形で表される「アクティビティ」(人物やシステムが遂行する作業や活動)、丸で表される「イベント」(プロセス中に生じる出来事)、ひし形で表される「ゲートウェイ」(意思決定のタイミング)として表記する。
各要素の繋がりは「フロー」と呼ばれ、矢印や直線で表される。実線の矢印はアクティビティなどの順序を表す「シーケンスフロー」、破線の矢印は組織(プール)をまたいで伝達されるメッセージである「メッセージフロー」、点線は必要なデータや得られる出力物などを活動に関連付ける「関連」(association)である。
プロセスが誰によって、あるいはどの部門によって処理されるべきかを表すのが「プール」で、アクティビティやフローを長方形で囲って表現する。部門内を担当者やチームなどに分けたい場合は、プールを直線によって必要な数に分割する。これを「スイムレーン」という。
歴史
初版(BPMN 1.0)の仕様はBPMI(Business Process Management Initiative)という団体が2004年に発行した。同団体は2005年にOMG(Object Management Group)に吸収合併されている。2011年には第2版(BPMN 2.0)が策定され、これを元に国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)による合同部会が2013年に標準規格「ISO/IEC 19510」を発行している。
(2023.9.5更新)