要求仕様 【requirements specification】

概要

要求仕様(requirements specification)とは、これから開発する製品やサービスなどが持つべき機能や特性などを仕様としてまとめたもの。企画や要件定義などの段階で策定されるもので、その後の開発計画の指針となる。

対象物が「何を」できなければならないかを、完成後、実際に利用に供された状況に即して記述する。具体的な構成や構造、機能の実現方法や実装手法など、「どのように」それを実現するのかはこの段階では問わず、設計段階で策定する。

基本的には「文書ファイル全文検索ができる」といったように機能について記述する(機能要件)が、「できる」というだけでは解釈に幅があり、「確かに『できる』がこの現場では実用にならない」という状況が生まれる余地があるため、「最大1万件の文書ファイルを10秒以内に全文検索できる」といったように性能などの特性についても定義する場合がある(非機能要件)。

何をもって良い要求仕様とするかには分野や対象物などによって様々な考え方があるが、一例として、ソフトウェア開発の要求仕様についての国際規格であるIEEE 830では、「正確で」(Correct)、「曖昧さがなく」(Unambiguous)、「過不足なく」(Complete)、「一貫性があり」(Consistent)、「重要度や安定性によって順位付けされており」(Ranked for importance and/or stability)、「検証可能で」(Verifiable)、「変更可能で」(Modifiable)、「追跡可能である」(Traceable)という8つの特性を挙げている。

(2021.8.17更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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