カナリアリリース 【canary release】 カナリアテスト / canary testing / カナリアデプロイメント / canary deployment
概要
カナリアリリース(canary release)とは、ソフトウェアやネットサービスの最新版を配布・提供する手法の一つで、公開当初は一部の利用者のみに限定して提供し、反応を見ながら提供範囲を拡大していく方式。ソフトウェアの最新版を公開したり、サービスの機能を更新する際、いきなり利用者全体を対象に更新を試みるのではなく、最初は全体の数%など限られた利用者のみに最新版を提供する。
Webサービスなどでは自動的に一部のアクセスを振り分けて最新版への切り替えを行うことが多いが、オープンソースソフトウェアの配布などの場合は「カナリア版」などと明示して利用者が自ら選択して入手・導入できるように提供する場合もある。
最新版に切り替わった利用者が実際の本番環境で使用するのを確かめ、致命的な問題が発生していないことが確認できたら、段階的に提供する範囲を広げていく。初期の利用者の状況を見て修正が必要な場合には、新版への切り替えは中止して現行版に差し戻す処理が行われる。
カナリアは一酸化炭素など無臭・無刺激の有毒ガスに対して人間より敏感に反応するため、かつては炭鉱内でいち早くガス漏れに気付くことができるよう鳥かごに入れて連れて行った。初期に最新版を使用する利用者をこの「炭鉱のカナリア」になぞらえた表現である。
(2022.4.25更新)