読み方 : スクラッチかいはつ
スクラッチ開発【development from scratch】
概要

情報システムの分野では、パッケージソフトウェアの導入やカスタマイズ、既存システムの改修・機能追加といった手法と対比される。こうした既存資産を活用する開発手法と異なり、スクラッチ開発では設計から実装まで全工程を自前で行う。他から流用する要素が一切ない場合を特に「フルスクラッチ」と呼び、スクラッチ開発よりさらに厳密な意味合いで使われることがある。
ソフトウェア開発においては、フレームワークやライブラリ、ミドルウェアなどの利用が一般的になっているため、「スクラッチ開発」の範囲は文脈によって異なる。プロジェクトによっては、汎用ライブラリは使いつつもアプリケーション固有の設計・実装をゼロから行う場合をスクラッチと呼ぶこともある。
既存製品や半完成品を元に開発する場合に比べ、スクラッチ開発は一般に費用や期間がかかる。一方、パッケージの制約や既存システムの負債といったしがらみに縛られず、業務要件に即した独自の機能を組み込みやすい。開発物全体を自組織で把握・管理できるため、改修や機能拡張の自由度が高く、ブラックボックス化が生じにくい利点もある。
近年ではクラウドサービスやローコード・ノーコードツールなど、インフラやツールとアプリケーションが半ば一体化したシステム形態も増えており、スクラッチ開発を選択する場面は以前より絞り込まれている。高度な独自性や競争優位性が求められるシステム、既製品では要件を満たせないケースなどで、スクラッチ開発が採用されることが多い。
(2026.6.6更新)