読み方 : エヌエスチャート
NSチャート【Nassi-Shneiderman diagram】NS図
別名 :NSD/ナッシーシュナイダーマン図
NSチャートとは?
コンピュータプログラムの制御構造を図で表現する手法の一つ。長方形や三角形を組み合わせた入れ子状の図形で処理の構造を表す。プログラムの流れの制御に一定の制約を課し、適切な構造化を促す図法である。

処理の基本単位は横長の長方形で表され、順次実行する処理はこれを縦に連結する。条件分岐は長方形の内部を3つの三角形に区切った図形で表され、中央に条件式を、左右に真・偽それぞれの値を記し、その下に対応する処理を長方形で配置する。元の幅の長方形が現れた時点で分岐の終了を示す。繰り返し制御は大小の長方形の入れ子で表され、外側の大きな長方形が繰り返し範囲全体を示し、その内側に繰り返される処理を記述する。
NSチャートでは、制御の流れがすべて図形の包含関係(入れ子関係)として表現される。任意の箇所へ処理を飛ばすgoto文のような無条件分岐は表現できない構造になっており、プログラムを順次構造・選択構造(条件分岐)・反復構造(繰り返し)という3つの基本構造で組み立てる構造化プログラミングが自然と実践される。処理の範囲や階層が視覚的に把握しやすいことから、設計段階だけでなく既存プログラムの解析や教育用途でも利用される。一方、入れ子の階層が深くなると図が大きくなり、全体を見渡しにくくなる場合がある。
NSチャートは1972年、当時ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の大学院生だったアイザック・ナッシー(Isaac Nassi)氏とベン・シュナイダーマン(Ben Shneiderman)氏が考案した。ドイツでは1985年にDIN 66261として国家規格に制定されたが、JISやISOの規格には採用されていない。同時代に日本の日立製作所が「PAD」(Problem Analysis Diagram)という似た図法を開発しており、両者を総称して「構造化チャート」と呼ぶことがある。
(2026.7.2更新)