リーンソフトウェア開発 【LSD】 Lean Software Development

概要

リーンソフトウェア開発(LSD)とは、製造業で発展した「リーン生産」の考え方をソフトウェア開発に適用した方法論。なるべく無駄を省いて効率的に開発を進めることを目指す。

リーン生産はトヨタ自動車が実践していた「トヨタ生産方式」(TPS)を分析して理論化し、様々な業種や企業に適用できるよう体系化した方法論で、生産現場やプロセスにはびこる様々な無駄を取り除いて効率を高めることを主眼とする。

リーンソフトウェア開発はこの考え方をソフトウェア開発に適用した方法論で、2003年に刊行されたメアリー・ポッペンディーク(Mary Poppendieck)、トム・ポッペンディーク(Tom Poppendieck)夫妻が共著 “Lean Software Development” (邦題:リーンソフトウエア開発 ~アジャイル開発を実践する22の方法~)の中で提唱した。

主な概念は7つの原則で構成される。「無駄を省く」(Eliminate waste)、「学習効果を高める」(Amplify learning)、「決定をできるだけ遅らせる」(Decide as late as possible)、「できるだけ速く提供する」(Deliver as fast as possible)、「チームに権限を与える」(Empower the team)、「統一性を作り込む」(Build integrity in)、「全体を見る」(Optimize the whole)の7つである。

この原則を支える具体的な方法論として、「無駄を認識する」「バリューストリームマッピング」「フィードバック」「イテレーション」「同期」「集合ベース開発」「オプション思考」「最終責任時点」「意思決定」「プルシステム」「待ち行列理論」「遅延コスト」「自発的決定」「モチベーション」「リーダーシップ」「専門知識」「認知統一性」「コンセプト統一性」「リファクタリング」「テスティング」「計測」「契約」の22個の思考ツールの活用を提唱している。

(2024.7.17更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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