非機能要件 【non-functional requirement】

概要

非機能要件(non-functional requirement)とは、情報システムソフトウェア開発に際して定義される要件のうち、機能面以外のもの全般。性能や信頼性拡張性、運用性、セキュリティなどに関する要件が含まれる。

システム開発における要求分析要件定義などの工程で主に検討されるのはシステムの機能や動作、振る舞いを定義する機能要件で、システムが何を扱うのか、何をうのか、利用者や外部システムに対してどのように振る舞うのかといったことを定める。

しかし、機能要件だけでは求めるシステムの定義としては不完全であり、システムに求められる特性や動作の前提条件などを非機能要件として定義する。例えば、可用性について何の要件も定めなければ、要求された機能は確かに動作するが装置の一部が故障すると即座にシステム全体が停止してしまう脆弱なシステムが納品される事態が起こりうる。

情報処理推進機構IPA)の発行している「非機能要求グレード」では、大項目として「可用性」「性能・拡張性」「運用保守性」「移行性」「セキュリティ」「システム環境・エコロジー」の6つを定義し、それぞれについてさらに詳細な項目とレベルを定義している。

また、日本情報システムユーザー協会(JUAS)が発行した「非機能要求仕様定義ガイドライン」では、非機能要件を「機能性」「信頼性」「使用性」(操作性や習得の容易さなど)「効率性」(計算資源・時間を効率よく使っているか)「保守性」「移植性」「障害抑制性」(障害の発生・拡大のしにくさなど)「効果性」(投資対効果など)「運用性」「技術要件」(システム構成や開発手法など)の10種類に分類して定義している。

(2019.8.14更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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